「フリーランスとして独立したいけれど、実績ゼロの自分が案件を取れるのか不安」「クラウドソーシングは単価が低いと聞くし、かといってエージェントは経験者向けらしい…」そんな悩みを抱えていませんか。

フリーランス初心者にとって、「最初の1件」を獲得することが最大の壁です。スキルや経験がない状態で仕事を探しても、どこから手をつければいいかわからず、時間だけが過ぎていく方も多いでしょう。

本記事では、実績ゼロ・スキルなしの状態から「最初の案件」を獲得するまでの具体的なロードマップを5つのステップで解説します。「やめとけ」「末路は悲惨」といわれるフリーランスの現実を踏まえつつ、クラウドソーシングを活用した安全な実績の積み方、そしてエージェントを使った高単価案件へのステップアップ方法まで網羅しました。読了後には、「今日から何を始めればいいか」が明確になるはずです。


【結論】フリーランス初心者の「最初の1件」は「実績作り」と割り切るのが最重要

結論からお伝えすると、フリーランス初心者が最初に目指すべきゴールは「高単価案件」ではなく、「最初の1件の実績を作ること」です。

なぜなら、フリーランスの世界では「実績」がすべての起点になるからです。クライアントや企業は、発注先を選ぶ際に「この人は本当に仕事ができるのか」を確認したいと考えています。そのとき判断材料になるのが、過去の実績や評価です。

フリーランスエージェントの多くは、実務経験2〜3年以上を応募条件に設定しています。つまり、実績ゼロの段階でエージェントに登録しても、案件を紹介してもらえる可能性は低いのが現実です。

では、実績がない初心者はどうすればいいのか。答えは「クラウドソーシング」を活用して、まずは小さな案件から実績を積み上げることです。最初から高単価を狙うのではなく、「1件の完了実績」と「クライアントからの評価」を得ることに集中しましょう。

この「実績ゼロ→1」のステップをクリアできれば、その後のキャリアは大きく広がります。継続案件につながる可能性が生まれ、エージェント経由の高単価案件にも挑戦できるようになるからです。


なぜフリーランスは「やめとけ」「末路は悲惨」と言われるのか? 独立の「現実」

フリーランスに興味を持ち始めると、「フリーランスはやめとけ」「末路は悲惨」といったネガティブな声を目にする機会が増えるかもしれません。これらの声が生まれる背景には、フリーランス特有のリスクが存在します。

収入が不安定になるリスク

フリーランスの最大の課題は、収入の不安定さです。会社員であれば、業績が多少悪くても毎月の給与は保証されます。しかしフリーランスの場合、案件がなければ収入はゼロになります。体調を崩して働けない期間も、報酬は発生しません。

フリーランスエンジニアを対象にした調査では、約4割が「収入の不安定さ」を最大の悩みとして挙げています。この不安定さに耐えられず、会社員に戻る人も少なくありません。

営業が一番難しい

「技術さえあれば仕事は来る」と考えている方もいるかもしれませんが、実際はそう単純ではありません。フリーランスとして独立すると、営業活動も自分で行う必要があります。

スキルを磨くことに時間を費やしてきた人にとって、営業は未知の領域です。提案文の書き方、価格交渉の方法、継続案件につなげるコミュニケーション術など、学ぶべきことは山ほどあります。「営業が一番難しい」「仕事の取り方がわからない」という声が多いのは、こうした背景があるからです。

低単価で買い叩かれる可能性

特にクラウドソーシングでは、初心者を狙った低単価案件が多く存在します。「実績を作りたい」という焦りから、時給換算で数百円にしかならないような仕事を受けてしまい、疲弊するケースも珍しくありません。

ただし、こうしたリスクは事前に知っておくことで回避できます。本記事の後半では、低単価を避けながら安全に実績を積む方法を詳しく解説しますので、必要以上に恐れる必要はありません。


「実績ゼロ」から「最初の1件」を獲得する5ステップ・ロードマップ

ここからは、実績ゼロの状態から最初の案件を獲得するまでの具体的な手順を5つのステップで解説します。このロードマップに沿って行動すれば、「何から始めるか」で迷うことはなくなるはずです。

ステップ1:「スキルなし」を脱却する

「なんのスキルもない」という状態でフリーランスになることは、正直なところ難しいといえます。ただし、ゼロからでも比較的短期間で習得できる仕事は存在します。

初心者が始めやすい職種の代表例は以下の3つです。

Webライティング

文章を書くことに抵抗がなければ、最も参入しやすい分野です。SEOの基礎知識とリサーチ力があれば、未経験からでも案件を受注できる可能性があります。単価の相場は1文字0.5円〜1円程度からスタートし、経験を積むと1文字2円以上の案件も狙えるようになります。

Web制作(コーディング)

HTML/CSSの基礎を学べば、LP(ランディングページ)のコーディング案件に応募できます。学習期間の目安は2〜3か月程度で、比較的難易度の低い小規模案件が豊富にあります。

動画編集

YouTubeの普及により需要が急増している分野です。カット編集やテロップ挿入といった基本的なスキルは独学でも習得でき、初心者歓迎の案件も多く存在します。

いずれの職種も、いきなり独立するのではなく、まずは副業や在宅ワークとして小さく始めることをおすすめします。本業で収入を確保しながら、空いた時間でスキルを磨き、実績を積み上げていくのが堅実な方法です。

ステップ2:『最初の実績』を作る

スキルの方向性が決まったら、次は「最初の実績」を作る段階です。ここでおすすめなのが、クラウドソーシングの活用です。

クラウドソーシングとは、インターネット上で仕事の発注者と受注者をマッチングするサービスのことです。代表的なサイトとして、クラウドワークスやランサーズがあります。

なぜ初心者にクラウドソーシングが適しているのか。理由は主に3つあります。

第一に、「初心者歓迎」「未経験OK」と明記された案件が豊富に存在します。エージェント経由の案件は実務経験を求められることがほとんどですが、クラウドソーシングには経験不問の案件が多数あります。

第二に、オンラインで完結するため、場所を選ばず仕事ができます。本業がある方や育児中の方でも、自分のペースで取り組めます。

第三に、実績と評価が可視化される仕組みになっています。案件を完了するとクライアントから評価を受け、その評価がプロフィールに蓄積されていきます。評価が高まるほど、次の案件を受注しやすくなる好循環が生まれます。

一方で、フリーランスエージェントは「高単価・安定」が魅力ですが、多くの場合、実務経験2〜3年以上を求められます。実績ゼロの状態では登録しても案件を紹介してもらえない可能性が高いため、まずはクラウドソーシングで実績を作ることを優先しましょう。

ステップ3:「低単価」を回避し、安全に「実績」を積む方法

クラウドソーシングには「単価が低い」「買い叩かれる」というイメージがあるかもしれません。たしかに、何も考えずに応募すると、そうしたリスクに直面する可能性があります。

ただし、いくつかのポイントを押さえれば、低単価案件を避けながら安全に実績を積むことは十分に可能です。

プロフィールを徹底的に作り込むことが第一歩です。クライアントは発注先を選ぶ際、まずプロフィールを確認します。自己紹介文には、対応可能な業務、連絡可能な時間帯、これまでの経歴(関連する業務経験があれば)を具体的に記載しましょう。プロフィール画像も設定しておくと、信頼性が高まります。

コンペ形式の案件は避けるのも有効な戦略です。コンペ形式は、複数の応募者が成果物を提出し、採用された1名のみに報酬が支払われる方式です。採用されなければ報酬ゼロとなるため、時間対効果が非常に悪くなりがちです。初心者のうちは、タスク形式やプロジェクト形式の案件に絞って応募しましょう。

最初の数件は「実績作り」と割り切る姿勢も大切です。いきなり高単価を狙うのではなく、まずは2〜3件、確実に完了させることを目標にします。このとき、単価よりも「評価をもらえるか」「継続案件につながりそうか」を重視して案件を選びましょう。

相場を事前に調べておくことも欠かせません。例えばWebライティングであれば、初心者向けの相場は1文字0.5円〜1円程度です。これを大きく下回る案件(1文字0.1円など)は、よほどの理由がない限り避けるのが賢明です。

ステップ4:「実績」を持ってエージェントに登録し「高単価」を目指す

クラウドソーシングで一定の実績を積んだら、次はフリーランスエージェントの活用を検討しましょう。

フリーランスエージェントとは、案件を探すフリーランスと、外部人材を求める企業をつなぐサービスです。エージェントに登録すると、担当者が希望条件に合った案件を紹介してくれます。企業との交渉や契約手続きも代行してもらえるため、営業が苦手な方でも仕事を獲得しやすくなります。

エージェント経由の案件には、クラウドソーシングと比べて以下のようなメリットがあります。

単価が高い傾向にあります。エージェントは企業から直接案件を受けているため、中間マージンが少なく、結果として高単価になりやすいのです。月収100万円を超える案件も珍しくありません。

継続的な収入を得やすくなります。エージェント経由の案件は、3か月〜6か月といった中長期の契約が多く、収入の安定につながります。

福利厚生やサポートが充実しているサービスもあります。確定申告のサポート、健康診断の割引、案件が途切れた際の保証など、フリーランス特有の不安を軽減する仕組みが整っています。

ただし、エージェントを活用するには、ある程度の実績やスキルが求められます。目安として、特定の分野で1年以上の実務経験、またはそれに相当するポートフォリオがあると、案件を紹介してもらいやすくなります。


フリーランス初心者が「今」登録すべき案件サイト

ここからは、フリーランス初心者が登録を検討すべき具体的なプラットフォームを紹介します。「今、自分はどの段階にいるか」に合わせて、適切なサービスを選んでください。

1. 「最初の実績作り」におすすめのクラウドソーシングサイト3選

実績ゼロの段階では、まずこれらのクラウドソーシングサイトへの登録をおすすめします。

クラウドワークス

国内最大級の総合型クラウドソーシングサイトです。2025年時点で12,000件を超える案件が掲載されており、Webライティング、Web制作、デザイン、動画編集など幅広い職種に対応しています。「未経験OK」と明記された案件も多く、初心者が最初の一歩を踏み出すのに適したプラットフォームです。

ランサーズ

クラウドワークスと並ぶ大手クラウドソーシングサイトです。案件の種類が豊富で、特にブログ記事のライティングやWebデザイン、Web制作に強みがあります。「認定ランサー」という制度があり、一定の基準を満たすとクライアントからの信頼度が高まり、案件を受注しやすくなります。

ココナラ

自分のスキルを「商品」として出品できるプラットフォームです。イラスト、ライティング、翻訳、相談サービスなど、さまざまなスキルを販売できます。自分から案件に応募するのではなく、購入者が商品を選んで依頼してくる形式のため、営業が苦手な方にも向いています。

2. 「実績ができた後」に登録する高単価エージェント3選

クラウドソーシングで実績を積み、スキルに自信がついてきたら、以下のエージェントへの登録を検討しましょう。

レバテックフリーランス

ITエンジニア向けフリーランスエージェントの最大手です。2025年11月時点で10万件以上の案件を保有しており、平均年収は862万円(2024年実績)と高水準です。リモート案件も豊富で、支払いサイトが短い(当月末締め翌月15日払い)のも魅力です。

ITプロパートナーズ

週2〜3日から参画できる案件を多数保有するエージェントです。副業やパラレルワークを希望する方、複数の案件を掛け持ちしたい方に適しています。エンジニアだけでなく、Webデザイナーやディレクターの案件も取り扱っています。

Midworks

福利厚生が充実したエージェントとして知られています。月額3万円のパッケージプランに加入すると、交通費支給や健康診断補助などのサポートを受けられます。また、審査を通過すれば、案件が途切れた際に契約単価の60%を保証してもらえる制度もあり、収入の不安定さを軽減できます。


フリーランス初心者の案件獲得FAQ

最後に、フリーランス初心者からよく寄せられる質問にお答えします。

Q. 本当に「なんのスキルもなくても」フリーランスになれますか?

正直にお伝えすると、「スキルが何もない状態で」フリーランスとして生計を立てることは難しいです。フリーランスは自分のスキルや知識を売って収入を得る働き方であり、提供できる価値がなければ仕事は発生しません。

ただし、ゼロからでも習得しやすいスキルは存在します。ステップ1で紹介した「Webライティング」「Web制作」「動画編集」などは、2〜3か月程度の学習で基礎を身につけることが可能です。最初は副業として小さく始め、スキルと実績を積み上げていくことで、フリーランスへの道は開けます。

Q. 「仕事の取り方」で一番簡単な方法は?

残念ながら「簡単に仕事が取れる方法」は存在しません。フリーランスとして案件を獲得するには、何らかの営業活動が必要です。

ただし、「最初の一歩」として最も現実的なのは、ステップ2で解説したクラウドソーシングの活用です。サイトに掲載されている案件に応募し、選考を通過すれば仕事を受注できます。飛び込み営業や人脈作りが苦手な方でも、オンライン上で完結するため取り組みやすいでしょう。

また、SNSを活用してポートフォリオや活動実績を発信することも有効な方法です。継続的に情報発信を行うことで、クライアントから直接声がかかる可能性も生まれます。

Q. 初心者だと「買い叩かれませんか」?

そのリスクは確かに存在します。クラウドソーシングには、相場を大きく下回る低単価案件も混在しており、実績がほしい初心者をターゲットにしたケースもあります。

しかし、ステップ3で解説した「低単価を回避する方法」を実践すれば、安全に実績を積むことは可能です。具体的には、プロフィールを充実させる、コンペ形式を避ける、相場を事前に調べる、といった対策が有効です。「実績作り」と割り切って数件は低めの単価で受注するとしても、相場の半分以下になるような案件は避けましょう。

Q. 収入が不安定なのが不安です。

収入の不安定さは、フリーランスの宿命ともいえる課題です。この不安を完全になくすことは難しいですが、軽減する方法はいくつかあります。

まずは、いきなり独立するのではなく、副業からスタートすることをおすすめします。本業で生活費を確保しながらスキルと実績を積み、収入の見通しが立ってから独立を検討するのが堅実です。

また、ステップ4で紹介したフリーランスエージェントを活用することで、中長期の継続案件を獲得しやすくなります。エージェントによっては、案件が途切れた際の保証制度を設けているところもあります。

複数のクライアントと取引を持ち、収入源を分散させることも、リスク軽減に効果的です。


まとめ:まずは「実績ゼロ」を脱出しよう

本記事では、フリーランス初心者が「実績ゼロ」の状態から「最初の1件」を獲得するまでのロードマップを解説しました。

フリーランスには「収入が不安定」「営業が難しい」「低単価で買い叩かれる」といったリスクがあり、「やめとけ」という声が存在するのも事実です。しかし、正しい手順を踏めば、これらのリスクを軽減しながらキャリアを築くことは十分に可能です。

ポイントを改めて整理すると、次の通りです。

  • 最初のゴールは「高単価」ではなく「最初の1件の実績」
  • 始めやすい職種(Webライティング、Web制作、動画編集など)からスキルを習得する
  • 実績ゼロの段階では、クラウドソーシングを活用して小さな案件から始める
  • プロフィールの充実やコンペ回避などで、低単価リスクを軽減する
  • 実績ができたら、エージェントを活用して高単価・安定を目指す

「何から始めればいいかわからない」と悩んでいる方は、まずクラウドワークスやランサーズに登録し、自分のスキルで応募できそうな案件を探してみてください。最初の一歩を踏み出すことが、フリーランスとしてのキャリアを開く鍵になります。